初学者向け!NPPVをマスターしよう|NPPVとは|NPPVとバイパップの違いは?|NPPVを学ぶおすすめ書籍

くま

クリティカル経験16年の現役看護師のたまです。

今回はNPPVについて考えていこうと思います。

クリティカルではよく登場するNPPVですが、みなさんマスターしていますか?

この記事でわかること

・NPPVとは
・NPPVとバイパップの違い
・NPPVが適応となる疾患
・NPPV管理で大事なこと
・独学に必要なおすすめ書籍

目次

NPPVとは

NPPVとはNoninvasive Positive Pressure Ventilationのことです。

マスクを用いた気管挿管に頼らない人工呼吸療法です。

気管挿管に頼らないことのメリットとして、

・必ずしも鎮静が必要ではない

・ADLの維持が可能

・肺炎の合併予防    



などが挙げられます。

とはいえ、NPPVの装着は患者さんに不快感を与えるものでもあります。

そこでNPPVの考え方として重要なことは、

いかにしてNPPVを続けられるか

工夫してNPPVを続けることで有益を生み出す

ということになります。

NPPVとバイパップの違い

バイパップとはNPPVの換気モードの一つです。

たまに、NPPVを指す言葉として使われることがあります。

設定した時間で高圧相と低圧相を交互に行われるもので、二相性陽圧呼吸です。

つまり、息を吸う時と吐く時で空気の圧を変化させるものです。

クリティカルでNPPVが適応となる疾患

COPDの急性増悪 と 急性心原性肺水腫

CQ1 COPD増悪による急性呼吸不全の呼吸管理にNPPVを使用すべきか?


COPD増悪による急性呼吸不全に対し、NPPVを使用すべきである。

エビデンスレベルⅠ:推奨度A

出典:NPPPVガイドライン

挿管を回避し、生存率を優位に改善する有効な治療法として推奨されています。

CQ5 急性心原性肺水腫の人口呼吸管理にCPCPまたはbilevel PAPを使用すべきか?


急性心原性肺水腫に対して、NPPV(特にCPAP)を第一選択とすべきである。


エビデンスレベルⅠ:推奨度A

出典:NPPVガイドライン

酸素療法と比べて、有意な呼吸数減少、P/F上昇、血行動態の改善、気管挿管患者に加えて死亡率の減少をもたらします。

NPPV管理で大事なこと

不必要な挿管を回避する

不必要な気管挿管を回避するためにNPPVを活用することができます。


しかし、喀痰が多い場合や鎮静が必要な場合は挿管が必要です。


つまり、必要な気管挿管を見極めるスキルも必要となります。



挿管が必要な状況では早急に移行することが大切です。


そのために看護師は医師と挿管に移行する基準の共通認識を持っておかなければなりません。


挿管のタイミングを逃すことのないように看護師は常に患者さんの近くにいるのです。


NPPVで乗り切れるかどうかを考えるにあたっては、


NPPVの失敗予測因子を踏まえて患者を見極めておくことが重要です。

重症度の高い患者(例えば、SAPSⅡ score)

NPPV開始初期の酸素化が良くなっていない患者(開始後短期の酸素化)
の場合は

挿管になりやすいです。

つまりNPPVでは乗り切れない可能性が高いということです。

できる範囲での呼吸管理

患者さんの中には人工呼吸器を希望しない方もおられます。

終末期にある患者さんでは呼吸管理の選択肢も限られます。


そのような場合、NPPVは症状緩和のための呼吸管理として活用されます。

心理的な不快

NPPVの管理で大事なことは、不快感(侵襲)をどう管理していくかです。

適切なケア、適度に休憩、マスクフィッティング管理

NPPV中の睡眠障害は、患者QOLや予後の悪化、特にせん妄発症との関連が指摘されています。

生理学的な不快

適切な設定やモード選択、そして必要時には適切な薬物管理を行います。

よく使われる薬としてはデクスメデトミジンが有名です。

マスクフィッティングは大切!

NPPVのマスクにはいろいろな種類があります。


口鼻マスク、フェイス、インターフェイス・・・

大小のサイズも重要です。

患者に合うマスクを使用することがNPPV療法のカギとなります。

NPPVの独学におすすめ書籍

NPPVを知りたいならこれ!

総合評価
( 4.5 )
メリット
  • カラーで説明がわかりやすい
  • 図や写真が多い
総合評価
( 4 )
メリット
  • 薄くて持ち運びしやすい
  • 初学者向け(モード等の設定には触れていない)

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この記事を書いた人

たまです。30代後半、現在、第1子妊娠中です。
看護師歴15年になります。
エアクロ歴6年、育児や知育について勉強中。
趣味は温泉、家庭菜園、投資。

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